キジ猫世間噺大系

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一人暮らしで猫を飼った男の末路

しりとりでエッセイを書いていくPart2 【りりしい】

中島らものパクリで始めるしりとりエッセイ。今日は、dk4130523さんよりリクエストいただいた「りりしい」で繋いでいこうと思います。

『りりしい』

りりしいを辞書で引くと、「きりりとひきしまっていて勇ましい」とある。まさに男にとっての褒め言葉であるが、かつてりりしいということを勘違いした男がいた。
大学の寮の1コ上の先輩のKさんであるが、彼はファッションサイコパスであった。

アングラコンテンツが大好きで、そんな自分が大好きなタイプの人間である。ガロに対して偏愛を持っており、つげ義春と2chが大好物。そのくせ昨今のギャルの生態を知るためとか言って、ギャル雑誌のeggを購入するという変わった先輩であった。
寮内では常に猫背でメガネでスウェットを着ており、寮の飲み会では「大学入ったからといって彼女ができると思ったら甘いぞ」等と後輩の夢を奪うような発言を繰り返していた。また、寮内では歯に衣着せぬ物言いを芸にしており、それ言っちゃう!?と思うような発言をするのであった。

 

僕の同期にかなり太っているDという男がいた。Dについてはまたの機会で書こうと思っているが、Dは少々特徴的であった。かなりの巨漢かつオタク気質で、度の強いメガネをかけているDは和製ハルクを彷彿とさせる強烈なインパクトのフェイスを持っていた。そしてDはコンプレックスを昇華させ、エネルギーを勉強に向かわせるタイプの男だった。ちなみにDは2浪していたためKさんより一つ年上である。
食堂で早朝までKさんと僕らは麻雀をしており、Dが真面目に大学に行くために食堂を通りかかった時に事件は起きた。

「よう化け物!」

Kさんはあろうことかこのプライドの塊のような男にそう言ってのけたのである。いくら先輩でも言ってはいけないことがある。現場が静まりかえったのは言うまでもないだろう。Dは無言のまま寮を出て、その後卒寮までほとんどKさんと口をきくことはなかった。寮でKさんを避けながら生活するDの姿はさながら哀しきモンスターのようであった。男のプライドとはそういうものなのかもしれないが、寮では逆ギレする人間は「Dの意志を継ぐ者」としてイジられる宿命となった。Dもピエロになることができればこうはならなかっただろう。男子寮の業である。 

 

さらに、中二病を引きずってメールアドレスを「sweet-devil-kids@~~」にしていた先輩に対しては、「デビルキッズてwww」と言ってバカにしていた。しかも本人がいるところである。まあこれは僕でも言うか。


ちなみに、デビルキッズは下記の通りKさんのラインスタンプにもなっている。「ジャガイモ男」というスタンプで有料だが、金に余裕がある人は買ってみてほしい。Kさんが30円儲かるそうである。

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そんなKさんは、外出時だけは印象が全く違っていた。猫背でもなければメガネもしていない。グラサンをかけることもあり、普段はゆるんだ顔にも関わらず、眉間にしわを寄せ、精一杯りりしい顔を繕っていた。一度Kさんが登録した出会い系サイトのキメ写を見たことがあるが、当時流行りのお兄系で、もちろん眉間にしわを寄せていた。端から見ると単に機嫌が悪そうな男にしか見えず、肥大化したセルフイメージは時にアンバランスな結果を生むのであった。
だがKさんも社会人になり、休日に会うとすっかり当時の見た目の毒は消え失せ、ゆるキャラのように柔和な顔になってしまった。
人は成長するんだと実感した。そんな話。

 

次回は「い」から始まるワードでエッセイを書きます。リクエストお受けします!