キジ猫世間噺大系

一人暮らしで猫を飼った男の末路

増上寺まで徳川家茂(モチモッチー)のお墓参りに行ってきた話

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特にオチも何もない話なんですけど、我が家では徳川家茂のことを敬意を込めて「モチモッチー」と呼んでいる。突然家茂の話をするのは他でもない、幕末史がマイブームなだけである。徳川家自体には無論のことながら縁もゆかりもない。徳川宗家19代当主の家広氏がベトナム人女性と結婚したことに関してもよくやりました(拍手!)くらいに思っている。 

で、僕はモチモッチーのことが好きなんですけども、きっかけは往年の名著「おーい竜馬」である。ちなみに武田鉄也原作だ。

この「おーい竜馬」を先日大人買いしまして、今年買ってよかったものの上位にランクする名著なのだけどこの漫画の中に志高い病弱な好青年として出てくるのがモチモッチーなのだ。決してメジャーな存在じゃないけども、モチモッチーは我が家ではスーパーヒーロー。 彼のスペックはこうである。

 

徳川家茂(とくがわいえもち)

江戸幕府第14代征夷大将軍

1846-1866(満20歳没)

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激動の幕末の安政年間に将軍となったモチモッチーは、公武合体政策で朝廷と仲良しアピールするために孝明天皇の妹の和宮と結婚。側室を一人も持たないモチモッチーはとにかく和宮と仲がよかったそうな。側室をいくらでも持てる身分でですよ?

おーい竜馬の中で、絶対に史実ではないと思うんだけど竜馬がモチモッチーと面会する場面があって(明らかに武田鉄也の創作)、とにかく竜馬に協力的なんですよね、マジ好青年。幕府内のパワーバランスで力を持てない将軍なんだけど、徳川でなく日本全体を案じることができる。

モチモッチーが好青年だったことを表すエピソードとして、勝海舟はこのように評している。「若さゆえに時代に翻弄されたが、もう少し長く生きていれば、英邁な君主として名を残したかもしれない。」

他にも、高齢の習字の先生が失禁したのに気づいて、いたずらっぽくわざと水をぶっかけてみたり。あれ?この話どこかで聞いたことあるな・・

モチモッチーは20歳で脚気で死んでしまうんだけど、ビタミンB1をもっと摂って!と思わざるを得ない。

 

家茂の骸骨は「骨は語る 徳川将軍・大名家の人びと」で見れるという事実

他にもこの「骨は語る 徳川将軍・大名家の人びと」という正真正銘、空前絶後の名著があるんだけど、この本は増上寺に埋葬されている徳川歴代将軍の墓を掘り起こした時の記録で、骨格から当時の庶民と貴族の違いや食生活、病気を推察していくという歴史マニア垂涎のコンテンツなんですが、掘り起こされた徳川将軍の亡骸がバッチリ写真に残されていてかなりエモーショナル。徳川将軍は基本座ったままの姿勢で副葬品と一緒に土葬されるので、色々と残る。

その中にモチモッチーも含まれていて、しっかり骸骨として残っていた。ほんの150年前の遺体なので保存状態は比較的良好(他の将軍は全身がちょうちん状に折りたたまれたり、一部しか骨が残っていなかったりする)。特に印象的なのが黒々とした頭髪で、髪は死んでも分解されないんだ。。と気づいた。髪は生きてる時にかっさらわれるものなんですね。。
モチモッチーの遺品で印象的だったのが、金無垢の懐中時計。当時の舶来品だけど保存状態が良好で江戸時代のことをすっごくすっごく身近に感じられる。
何よりこの本、肖像画でしか見れない人物の遺骸が実物として写真に納められている訳ですから、クるものがある。ちょっと上手く表現できないけど、モチモッチーは確かにこの世に存在したんだ、架空の人物じゃないんだ、みたいな。どんな歴史上の人物も、今を生きる我々も、生まれて死んで骨になる、ただそれだけのことなんだ。

モチモッチーが眠る増上寺へ

で、モチモッチーの墓所がある増上寺へいざ参ったわけだけど、何やら大混雑。何かイベントやってるみたいで大竹まことや光浦靖子が本堂前でしゃべってた。テントで栄養ドリンクのタフマンを全員に配ってて、受け取る条件として一人ひとり「あんたがたタフマン」という合言葉を言わなければならないというルールがあって、全員が小声で「あんたがたタフマン」とスタッフに告げる光景はこの上なくシュールだったけども、私も例に漏れず小声で囁く「あんたがたタフマン」。よく考えてみると全く意味の分からないフレーズである。

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墓所への道中に現れるおびただしい数の地蔵たち。みんな顔がかわいい。

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この奥に、モチモッチーたちが眠っているんだ。なおこの中に入るためには料金が必要で、500円かかる。500円払って墓参りしたい人が何人いるんだと思ったけど、同士たちが結構いた。

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これがモチモッチーの墓

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そんで、モチモッチーの墓が何の前触れもなくそれはもう唐突に現れた。隣りは和宮の墓だ。この下にモチモッチーが眠っている。150年前は生きて動いていたモチモッチーが、本で見たあの姿のままで確かに眠っているんだと思うと胸が熱くなった。

 

最後に

隣りの和宮の墓に関してとっても心温まる有名なエピソードがあるので紹介します。

和宮は31歳の若さで亡くなったのですが、戦後になって墓が掘り起こされたときに、和宮の遺骸が抱いていたであろうガラス板が見つかった。ガラス板には何らかの人物が写っており、調査団が後で調べようと翌日まで置いておいたところ、ガラス板の人物は消えてしまっていた。調査団は発掘調査の最大の収穫を取り逃したことにひどく落胆したそうな。

和宮が抱いていたガラス板に写った人物、それはただ一人愛したモチモッチーであろうと考えられている。