キジ猫世間噺大系

一人暮らしで猫を飼った男の末路

男だけどABCクッキングの体験教室に行ったら井上真央みたいな先生がいてまんまと入会させられたのでみんな気をつけろ

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土曜日に酔った勢いでABCクッキングの体験レッスンを申し込んだのだが気づいたら入会してた話を今からします。

セクハラざんまいすしざんまい

そもそもは僕は寿司が握りたいとずーっと思っていて寿司教室なるものを検索かけたところ、すしざんまいで寿司教室を開いていることを知り、値段を調べてみたらば卒業までに数十万かかるとのことで一瞬で断念した。ちなみにその数日後にすしざんまいで寿司教室の生徒に対するセクハラが炎上したのだった。

 500円の体験教室とは

そうこうして何か料理を習ってみたいと漠然とネットサーフィンをしていたところ、言わずと知れた料理教室最大手であるABCクッキングで明日にでも500円で煮込みハンバーグ体験ができるとのことだったため物は試しと予約した。

 

日曜日、都内で一番近いABCクッキングのスタジオに足を運んだ。ガラス張りの店内には女性の姿しか見えず、一瞬そのまま踵を返して個室ビデオに行くことが頭をもたげたが、僕のいつものスタンスである「ここにいる人達ともう二度と会うまい、どうでもいい」を発動し、何食わぬ顔でスタジオに足を踏み入れたところ、僕の他にも体験入店と思われる40代のオッサンが3人いた。

まーきのって言いたい。早く言いたい

受付を済ませ、100円で借りたエプロンをつけるとすぐさま椅子に案内された。3匹のオッサンも同様に席につき、今日の料理体験はこのメンバーでやることを料理教室の先生から説明された。そしてその先生が井上真央に激似だったので僕はションテンガリアー↑↑となった。特に井上真央が好きなわけではないのだが、僕はその日ずっと先生に「まーきのっ」と言いたい衝動に駆られ続けた。しかし突然の「まーきのっ」により先生が「スン…」とか「えっ…」とかなって出禁になったらセルフイメージを著しく損なうため何とか理性で押さえ込んだ。

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牧野先生はすぐさまABCクッキングのコースの話をし始めた。ABCのコースは「料理」「パン」「ケーキ」の3種があり、複雑怪奇な表を見せられてシステムの説明をされたのだが、まじで複雑で理解ができなかった。まるで携帯キャリアの料金体系である。フルMAXで入会したら50万くらいかかる、そしてそれに入会させようとしているというところは理解できた。

パンコースの誘惑

牧野はパンコースをやたらと推してきた。「パンコースが本当にオススメでハマる人はマジでハマっちゃって抜け出せなくなるんですよ」だとか「男の人の方が力があるからいいコネができますよ」だとか「ちょっとした手土産に最適ですよ」とか鬼プッシュしてくるのである。

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確かに、資料を見ると色とりどりのカッコいいパンたちがずらりと並ぶ様は壮観で、これらのパンを自由自在に作れたらどんなにいいだろうかとまんまと乗せられている自分がいた。

男たちの思惑

その後、厨房的なところへ案内され、僕は一人のオッサンとペアで煮込みハンバーグを作ることになった。オッサンは佐々木さん(仮名)と言った。佐々木さんに何で料理教室に興味を持ったのかを尋ねたところ、佐々木さんは「デュフフ、一人暮らしだから料理くらい作れるようになりたくて」と答えた。僕は佐々木さんが出会いを求めて来たであろうことを直感した。

 

残りの体験オッサン二人は肉じゃがを作るようだった。オッサンの一人が、教室で作った天ぷらを一人で食す妙齢の女性を目にし、「どのくらい通えばこのくらい作れるようになるんですか?」と聞いたが、女性から「初回でできますよ」と一蹴されていた。当たり前である。このオッサンは女性が教室に来てまで自分の裁量で天ぷらを揚げたとでも思ったのだろうか。

 

一方その頃、我々ハンバーグおじさんチームに至っては、玉ねぎをみじん切りにしてひき肉をこねていた。佐々木さんは包丁の持ち方から危うかったし、牧野の指導も空しくひび割れだらけのハンバーグを成型した。

結婚式場さながらの即決割引

煮込みの工程になると、我々はまた席に座らせられ熱烈な勧誘を受けることになった。ABCクッキングには即決割引が存在し、体験入店当日に入会したら、入会金12,000円がタダになり、コース料金も20%offになるとのことだった。そして牧野は既に「どのコースにしますかぁ?」となっており、僕らも「どれにしようかなぁデュフフ」となっていた。しばらく迷っていると、「コースは後からでも選べますので、まずは入会登録だけしちゃいましょうか」と提案され、気づいたら何やらサインをさせられている佐々木さんと自分がいた。

 

いつの間にか煮込みハンバーグが完成し、僕は佐々木さんと一緒に食することになった。綺麗な形が僕、ひび割れだらけが佐々木さんだった。なお、それなりに美味かったが、そんなに飛び上がる程のものではなかった。佐々木さんは料理の基礎コースに入会することを決意していたようだった。

男性3割とかほんとかよ

一方僕もパン作りてー!!となっていたが、パンコースはマジで女性だけなんじゃないか?それだと少しやりにくいな、と気にかかり、牧野に男女比を聞いたところ「最近では男性の割合は3割くらいですね」とのことだった。ちなみにその日パンを作ってるのは女性しかいなかったから僕はかなり懐疑的になった。

 

牧野は、「せっかく入るなら基礎とマスターをセットでやった方がお得ですよ」とクロージングに入った。「基礎コースだけだと同じことの繰り返しなので」と。しかしマスターコースまでやったら20万である。さすがにこれはやりすぎだと踏みとどまった。ただ、パン作りの魅力には抗いがたく、気がつけば僕は機械的に制約事項や約款に記載の内容をまくし立てる新人風の女に促されるまま、25,000円の6回コースにサインをしていたのだった。

まとめ

入会を決めた後、さてどの発酵機付きオーブンを買いましょうかしら、と意気揚々と家に帰って一息ついたところで我に返った。なんで俺パン作ることになったんだろう、と。

ABCクッキング、ほんの体験で行ったらマジで入会させられるから気をつけろ!