2019年7月。出不精の僕がまたしても沖縄に足を踏み入れたのは、酔っている時に後輩Mにまんまと乗せられて「行くわ」という言質を取られてしまったからであった。ダイビング狂いのMは何かにつけ沖縄に行きたがり、僕に酒を飲ませては数ヶ月先の航空券をその場で予約するという詐欺師まがいのやり口でもって話をまとめてしまうのである。
芸人潜伏の地 石垣島
そんなMからの提案は石垣島三泊四日であった。石垣島ーー。全くもって知らない。島田紳助は黒い交際発覚後に潜伏していたし、ビートたけしはフライデー襲撃事件後に潜伏していたし、やらかした芸人が潜む場所といったイメージしかなく、日々の雑事に追われるうちについぞ石垣島の何たるかを一切調べることなく羽田からの直行便に乗ることとなった。
「身体と金だけ持ってきてくれればOKです。あとは全部自分が手配しときます」とMが言い、僕は適当な服だけをバックパックに突っ込んで飛び立ったのであった。
僕らの旅行はいつだって現地集合である。僕は東京、Mは大阪で仕事をしているため旅行先の空港や宿泊先で合流するのだ。以前仲間内で現地集合した場所はタイのサムイ島とかいう地の果てのような島の安宿の一室で、部屋のドアをノックしてまじでいた時はなぜか分からんが大笑いしたものである。
今回は石垣島の空港で待ち合わせしたのだが、出口でエア看板を掲げ待ち受けていたMは完全に現地の添乗員そのものであった。
ひとし石敢當店でねぎまみれに舌鼓
着いた時間が割と遅かったため、安宿のチェックインを済ませた我々は早速夕食に出向いた。場所は「ひとし石敢當店」T字路の突き当たりに位置する沖縄の魔除け石にちなんだこの店は石垣島でも屈指の人気を誇る居酒屋で、特に生マグロがウリとのことであった。
期待していた生マグロだと思って食べたら完全に冷凍モノで「芯が冷たい」などのハプニングはあったが、この「ねぎまみれかつお」はマヨネーズ、ポン酢、にんにくが大変いい仕事をしており、最高にうまかった。家でも作れるのでパクろうと思う。
島野菜カフェ Re:Hellow BEACHは朝からボリュームMAX
2日目のメインはダイビング。9:00に港集合だったため、8:00から開いているこの「リハロウビーチ」で朝食をとることにした。本当は有名な豆腐屋に行こうとしたのだが、定休日のため断念。その豆腐屋には後でリベンジしたのだがいろんな意味で泣きを見ることになった。そのことについては別途記す。
このリハロウビーチは島野菜カフェと言うだけありヴィーガン向けの印象を受け、正直全く期待していなかったのである。島野菜などというワードには一切惹かれない自分がおり、なんなら女子供の食うもの、くらい思っていたのだがなかなかどうして良い意味で期待を裏切ってくれた。
1,000円くらいするサンドイッチ的なものを注文してみたのだが、普通に肉あるやん!しかもボリュームが半端じゃなくてこれからダイビングをしようという時に食う量ではなかったのだ。しかしこれがまあ美味い!写真右のバナナにチーズが乗っているところ以外は満足した。
マンタを目指してダイビング出航
通算150本のダイビング歴を持つMから「あなたにとってダイビングとは?」と聞かれたので「余暇を彩るアクティビティだ」と答えたところ「いや違うでしょ。やりたくもないのに後輩に無理やり潜らされてる苦行でしょ」と言われて否定ができなかった僕ですが、予約してあったらちゃんと船に乗る。
天気は快晴、波も良好。こりゃ石垣島名物のマンタでも見れるかとイキって潜ってみたらば、マンタどころかカメすら見れない始末。見れたのは猛毒のオニダルマオコゼくらいのものであった。
猛毒生物オニダルマオコゼ
ダイビング初心者の僕は触りこそしなかったが、猛毒という知識がなかったためもう少しでダイビングするときのメーターで小突くところであった。無知とは怖いものである。石垣島を人生終焉の地とするのは本意ではない。
マンタ、いた気がした
マンタに関しては、前日も前々日もマンタスクランブルと名づけられた何とも期待を持たせるスポットで見られたということだが、残念ながらNoマンタでFinish。潜る前にマンタに遭遇した時の対処について説明を受け、マンタのエラに下からブクブク泡を当ててはいけませんなんて言われて息止める練習してた俺のこと、どう思う!?
仕方ないので友人知人には一緒に潜ったおばさまからLINEの長文と共に送ってくれたこのマンタの写真を見せ「マンタでかかった!」とでも言っておくことにしよう。
世のリア充写真の欺瞞を暴く
潜ったメンバーで集合写真をパシャリ。ほとんどの人と話してないけどこうして見るとリア充っぽく見えるでしょ?嘘みたいだろ?ほとんど知らない人なんだぜコレ。
次に続きます。