キジ猫世間噺大系

一人暮らしで猫を飼った男の末路

糸島の牡蠣小屋で今まで生きてきた中で一番美味いものを食べた

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誇張抜きに「今まで食べたものの中で一番美味い」と評した食べ物がひとつあり、それは限りなく佐賀県に近い福岡県糸島市の海沿いで味わえる「船越の牡蠣」なのですが、正月は必ずここに来ることが恒例になっている。

船越の牡蠣とは

8件ほど牡蠣小屋というよりはデカいビニールハウスみたいな店舗が連なるエリアで、冬季限定で開くレア感も相まって毎年楽しみにしているのだが冗談抜きでめちゃくちゃ美味いのでみんなにお勧めしたい。

いや、東京でも何度か牡蠣食べましたよ。オイスターバーとか某牡蠣殻小屋とか色々行きましたけど正直船越の牡蠣が群を抜いてる。というか質の悪い牡蠣は食べてて普通に飽きてくる。牡蠣食べ放題4,000円でエグくなってきてこのクソガキがなどと罵倒されながら消費される牡蠣は哀れだった。

千龍丸は炭火焼だった

今回も正月休みで昼時を狙って家族で行きましたがどの店も外に人が並んでいて、昨年よりも明らかに増えていた。どの店に入るか逡巡したがどこで食っても牡蠣自体は同じだろうと考え脳のゆらぎに従い『千龍丸』という店にした。店によってガスか炭火焼があるが千龍丸は炭火焼の店だった。

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千龍丸に並んでる間お小水を催し執行猶予だとかなんだか言って店舗奥のトイレに並ぶこと10分。痺れを切らした先頭のだいぶアレな感じのオッサンがトイレのドアをノックすると誰も入ってなかったという周囲からの失笑爆買い案件もありつつ無事に用を済ませド派手な灰よけジャンパーをもらって席に着いた。

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ちなみにここに来ると灰まみれになるため、すぐに洗濯できるボロい服で行くのが吉。もっと言うと髪の毛も初見の人からフケやべーわとドン引きされるためその後の行程に温泉を組み込むのが地元民の知恵だ。

世界一美味いもの、それは牡蠣

牡蠣は一盛り1,000円で適当に網の上に転がしておくだけでいい塩梅に食えるようになる。時たま牡蠣殻が爆発してどよめきが起こるのもまた一興。牡蠣の爆発を前に正月早々嬌声をあげる色んな意味でおめでたい人達が量産され、私もまたその一人だ。

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左手に軍手をはめ牡蠣用ナイフで殻をこじ開けると人に食われるために生まれてきたプリプリのふとましい身が横たわり、抜群に合うポン酢を少々、ジュルリと一口。

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海のありったけの旨みが凝縮されており、この世にこんな美味いものがあったのかと思った。ブロッコリーが凝縮された森ならば牡蠣は凝縮された海だ。海水の塩分とポン酢の酸味が絶妙に混ざり合うことで乳白色の身の独特な風味が倍加され美味さのシンギュラリティ到来や〜〜

焼いただけでこれだけのポテンシャルが出せるのなら料理って意味ないよなーと思う。手を加えなければ加えないほど美味いものがこの世には存在する。

余談だが牡蠣は全く動かず筋肉が退化しているため身のほとんどが内臓で構成されているという。牡蠣のビジュアルは何らかの臓器そのものだが、まじで臓器のみだったとは。

また、先日知ったのだが生牡蠣にラフロイグやボウモアなんかのアイラウイスキーをぶっかけて食うと旨味のぶっ壊れ性能が発動するらしい。ファッション孤独こと村上春樹が言ってたので間違いないだろう。この牡蠣小屋はあらゆるものが持ち込み可なので今度試してみたい。まさにカッキ的なアイデアつってやかましわ。

牡蠣の他もまあまあうまい

牡蠣以外にも色々メニューがあるのでその一部を紹介しよう。

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車海老もこの通り。めっちゃ動いてて野蛮な光景ではあるが甲殻類はロボットと割り切ってここは頭から行きたいところだ。

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ホタテも美味いがやっぱり牡蠣には及ばない。牡蠣を食べたら大味に感じる。残った殻は水着にでもすると良いだろう。

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ふぐの一夜干しは上品な甘み。

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残念ながらウニ丼が入荷されてなかったため〆はイクラ丼にしてみた。牡蠣飯も食べたが味が薄く微妙だったが確か200円とかだったので良しとする。

終わりに

私が古代ローマ人であったなら鳥の羽根を喉に突っ込みリバースの上追いスターをキメるところであった。