キジ猫世間噺大系

一人暮らしで猫を飼った男の末路

宮古島旅行記⑤ 〜微笑みの爆弾〜

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5日目です。4日目はこちら↓↓ 

この日はもう帰るだけで特に書くことが無いんで取り留めもない思い出を綴ります。

朝起きてテレビをつけたら山口メンバーの再逮捕の話題で持ちきりで、そんなに騒ぐことかよとか思って「かわいそうやな」と呟いたら後ろからM田が「えっ?今なんと…?」とモンスタークレーマーの片鱗を見せてきたので、「いや、被害者の方がね」と取り繕ったら「ですよね〜」て言ってました。

アフリカマイマイの恐怖

で、確かこの時なぜか寄生虫の話をしてたんですが、M田が興味深い話をし始めました。以前一人で沖縄にダイビングをしに行って、自前のウェットスーツをホテルの物干場に干してたんですって。朝起きてスーツを回収しようと物干し場に行ったらなんと辺り一面に大量のアフリカマイマイが。知ってます?アフリカマイマイ。世界最大級のカタツムリの一種で、こいつがとにかく危険なやつなんです。なんせ、触っただけで死に至らしめるという寄生虫の中間宿主なんです。その危険度は折り紙付きで、這った後を触るだけでもアウトになるとか。そんで、めっちゃデカくて人間のこぶし大ほどもあるんです。M田も「まじかよ…」てなったらしいんですけどね、実はこの時スーツを回収に来た人が他にもいて、大学生くらいの男2人組がなんと、マイマイを一か所にたくさん集めてたらしいんです。恐らくスーツを回収するためにマイマイをどかしてたんだと思うんですが、それを見て呆然と立ち尽くすM田。

その後どうなったかというと、たまたま通りかかったホテルの従業員が異様な光景を目の当たりにして、こいつはヤベェみたいな顔をしたんですけど、つとめて冷静に大学生2人を呼び寄せ、パニックにならないように「手を洗っててくださいね」とだけ伝えて後はその従業員がゴム手袋でマイマイを処理したらしいです。実に優秀な従業員。

なぜマイマイを集める必要があるか

僕はこの話を聞いて、無知って怖いなと思ったんですよ。でも、今ちょっと考えが変わってきてるんですよね。この話には一つ腑に落ちないところがあるんです。マイマイを「集める」というところなんですけど、わざわざ集めたりしますかね?自分のウェットスーツが回収できたらそれでよくないですか?「集める」とか、尋常ならざる行為だと思うのです。

思うに、彼らは既に感染してたんじゃないでしょうか。この世界にはロイコクロリディウムという寄生虫がいて、そいつはカタツムリの触角に寄生し、イモムシに擬態し、カタツムリを操り、開けたところに移動させ、鳥に捕食させるという悪魔のような生き物なんですが、大学生はこの手の寄生虫に感染してたんじゃないですかね。一か所に集めてマイマイ同士を交配させるように操られてたんじゃないですかね。そんで大学生はきっとそれを自由意志だと思い込んでるんですよ。恐ろしい恐ろしい。

中休味商店の鶏白湯宮古そば

閑話休題。そんな話をしながら昼になったので中休味商店という宮古そばの名店を訪問。ここは宮古馬の管理人さんが美味しいとお勧めしてくれた店でして、大阪で修行を積んだ店長が切り盛りする鶏出汁のそばだとか。

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鶏そばとジューシーを注文。自家製麺がもちもちしててスープもコクがあっておいしかったです。
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それからM田の復路の便が迫ってたので空港でM田を降ろして別れました。グッドバイ また会わん(新島襄風に)。

砂山ビーチの恐怖

一人の身になり飛行機までしばし時間があったので、ネットでこぞって良いと書かれている砂山ビーチに行ってみることにしました。
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畦道を進むと突然視界が開けて海が見えてきます。
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そしたら砂山ビーチのシンボルであるところのアーチ状の奇岩が出迎えてくれる。崩れるからかフェンスが施されていて近づけないようになっています。

実は風光明美なこのビーチは死亡事故が割に多いらしく、過去にはイタチザメによる被害があったとか。サメだとかアンボイナだとかオニダルマオコゼだとかマラリアだとか、南の島は激ヤバな生物が多すぎませんかね?北に行ったらこれがヒグマとかになるんですかね。

微笑みのバクダン

そっから一人でスーパー行って、絶対に買おうと決めてたバクダンを見つけて小躍りしました。バクダンというのは下の写真のようなものでおにぎりがカマボコに包まれている代物で、これが滅法うまいんです。僕はこれがどうしても買いたくて色んなところで目を光らせてたんですが意外にもどこにもなくて、ついにスーパーまで探しにきたわけであります。

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これを2個ほど買いましてね、飛行機に乗って羽田に帰りました。なんせバクダンなんで手荷物検査ドキドキものでしたけど、なんとかごまかして持ち帰ったと思ったんですよ。そしたらまじでおそるべきことなんですが、荷物のどこにも見当たらないんですよね。で、思い出しました。レンタカーの中に置き忘れてきたことを。後部座席にコロコロさせてた覚えがあるんで完全にシートの下に潜り込んでますね。超ショック。

たぶんあのバクダンは爆発こそしないとはいえ、ある日南国の炎天下で蒸されて異臭を放つことでその存在が明らかになることでしょう。それはまさに時限爆弾のように。いつか来たるその日を刻一刻と待つバクダンは、何やら微笑んでいるかのように思えるのでした。

おわりに

最後はとりとめもない文になりましたが、5回も続いた宮古島旅行記はこれにて完結です。

さて、次なる旅は北か南か。行く先はM田のみぞ知る。再び僕らは集うでしょう、ベンジャミンハットの名のもとに!

〜完〜