キジ猫世間噺大系

一人暮らしで猫を飼った男の末路

中崎タツヤの「もたない男」を読んだ。ミニマリストに俺はなる!ドン!!

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中崎タツヤという漫画家をご存知でしょうか。代表作は「じみへん」。1話2ページ程のシュールなマンガで、誰でも一度は目にしたことがあると思います。僕はこの中崎タツヤさんのマンガが大好きで、色んな町のブックオフに行っては単行本がないか必ずチェック。もはや中崎タツヤ作品の収集はライフワーク化しております。

 また、この中崎タツヤさん、徹底したミニマリストとしても知られており、必要最低限を通り越して必要なものすらバシバシ捨てる男であれますれば、下記のような「もたない男」なるエッセイまで出版する始末。そして最近僕もこの本を読んで大いに影響され、ものを捨てまくっているのです。今日は良くも悪くもこの本が与えたインパクトを紹介します。 

 

マンガで感じた中崎タツヤの合理性

前置きが長くなるのですが、この中崎タツヤ作品、絵柄こそシュールですがその実は徹底して合理を追求したものになっています。こんな話があります。

「対象人間」と呼ばれている男がいる。彼はカバンや腕時計をを両手に身につけ、左足がつまづいたら右足もわざとつまずくほど何でも左右対称でなければ気がすまない男。左のほほに蚊がとまったら左ほほを叩き、蚊がいない右も叩かないわけにはいかない。で、痛みは左右同じだけど、左だけかゆい、気持ち悪い。そんな彼が交通事故に逢って男の片玉が潰れてしまった!そんで周囲が「うわぁ」ってなるのがオチなんですが、こんな感じの作品が結構多い。いい加減にしておくことが許せない、こだわらざるを得ない作者の思いを感じるのでした。そしてそんな作者はとにかくものを捨てまくるタチとのこと。理屈を徹底的に追求するとこうなるのね、納得。

「もたない男」たるゆえん

で、この「もたない男」には異常とも言える中崎タツヤさんのものを捨てる癖が延々つづられていて、それこそ「うわぁ・・」と思いながら一気に読んでしまったのですが、ヤバいと思ったエピソードを紹介します。

 

・人を家に呼んだら「不動産屋の内見ですか?」と言われる 

ものがなさ過ぎて生活感が皆無ってことね。。

 

・ボールペンはインクが減るごとにカッターで短く削っていく

ちなみにこの作業は大変面倒とのことです。だったらやらなくてええやん。。 

 

・本は読んだそばからビリビリ破って捨てていく

本の破り方まで丁寧に図解してありました。小説の伏線とかわからなくなるやん。。 

 

・本棚に並ぶ本の背丈を全て合わせた

新書の本文が入ってない上下をカットして、文庫サイズに合わせるそうです。

 

・パソコンも捨てたけど一番好きだった機能はゴミ箱

そりゃそうだよね、もはやなんの意外性もないわ!

 

・服はユニクロの無地のポロシャツで同じものを着回す

 出た、ジョブズスタイル!一般人はなかなか踏み切れないよ。

 

常に何か捨てるものはないかを考えていて、捨てたくなったら矢も盾もたまらず捨ててしまうとのことです。もはや強迫観念や!

 

ものはなくても記憶は残る

中崎さんの感覚でもっともうらやましいと思った感覚がコレです。写真や本なんかは残してなくても一度自分にインプットしたものだから捨てても支障はない、という考えですが、反面僕は同じ本を何度も読み返すタイプ。僕は脳みそが残念なんで一回読んだだけでは理解してないことが多いんですわ。でも、そもそも忘れてしまうような記憶はなくてもいいものなのかもしれない。

そういえば、大学生の時にIという同期がいましたが、彼は観光に行ったらさっさと写真を撮ってノルマを終えたような感じで現実の風景を楽しむ男ではなかった。思い出を形にして残すことが一番大事だと思うタイプでした。ちなみに僕は単にめんどうで写真をあまり撮らないタイプ。

真のミニマリストとは

コンマリさんが「人生がときめく片づけの魔法」を出版した時は瞬く間にヒット作になりました。この本では、持っているものを取捨選択してときめくものだけ残せば人生が変わる!と謳っています。が、世の中には真のミニマリストなる人たちが存在していて、彼らはときめくとか全く関係なしにものを捨てまくるようです。

ミニマリストの人にとって、ものが溢れている状態は「ぐるぐるする重いパソコンと一緒だ」というのをどこかで読みました。脳みそのHD容量とメモリには限りがあるので(CPUは人によって性能差がありそう・・)確かにシンプルに生活するというのはフットワークの軽さに直結する気がする。瞑想っていうのも脳のキャッシュクリアにあたるみたいですね。やり方よくわかりませんが。自分にとって本当に必要なものだけを持つというミニマリスト的生き方、なんだか憧れます。 

 

いざ実践!

そんで、僕は元々そんなにものを持ってないし執着もない方なんですが、割かし片付けが苦手。本とか読みっぱなしで部屋に散乱してたりします。この傾向は猫が来てからひどくなったな。あいつら片付けるという概念ないからね!

実を言うと「もたない男」を読んでからものが捨てたくてたまらない。そこでまず会社のデスクに散らばるオフィスデブリ達から処分することにした。デスクに積みあがる半年以上前の書類、読まない参考書、邪魔な人形、ミニカー、ペン立て、全て処す!!ついでにPCのデスクトップにある古いファイルも処す!処す!クソお世話になりましたー!!

ここまでやってみて、めちゃくちゃすっきりした。PCしかないデスクで仕事をするのは超快適です。やってよかった。人生を切り拓くのはやっぱり思い切りのよさ。今度は家のものを捨てまくろう。ワクワク。

 

と、ここまではよかったんですが、今週仕事で使う大事な書類がなんだか見当たらない。まさか・・ね?