キジ猫世間噺大系

一人暮らしで猫を飼った男の末路

【書評】「ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法」はちきりん入門書として最適

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「小池にハマッたどんぐり達の大変な末路」というネット記事のタイトルが秀逸すぎるのはひとまず置いといて、最近社会派ブロガーちきりんさんのブログをよく読んでるんですが、独特の切り口がおもしろくて書籍の方も購入しました。
で、「ゆるく考えよう」は初著ということで、ちきりん入門編として読んでみたらこれがまた結構斬新なことが書いてあっておもしろかった。

 

ちきりんって

実はちきりんって僕あんまり知らなくて、何のきっかけで知ったか忘れたけど「Chikirinの日記」ってふざけた名前だなーと思ってブログ読んでみたらかなりおもしろくて。ブログは月間200万PVを叩き出す怪物ブログなんですがそれも納得。
自称「おちゃらけ社会派」を称するその論説はややこしい時事問題を扱いながら誰でもわかる平易な切り口で語られていて、とても明快。
ブログ記事が膨大で、これを読むのを日課にできるレベルです。実際、毎日日経新聞読むことよりもずっと惹きがある。

 

ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法

なんか社会に出て働いてると色々難しいことが色々あって、我慢することも多いけど、「とにかく頑張る式」の生き方をやめて、もっとラクに過ごしましょうよ、というちきりん流の提言書。目次を見ると「極論でしょww」と言いたくなるような見出しが多いけど、中身を読むと妙に納得してしまう。今回は、えっ、極論じゃない・・?と妙に納得してしまったワタシ・・と思った項目を感想を交えてレビューします。

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※コイツにはゆるく考えようなんて言う必要は全くなさそうだ。


「予定が入っていることがいいことだ」という考えは下品だ

「朝から運動して午後から映画を観て夕食は○○会で大いに飲み笑い、夜はベストセラー本を読む」という日曜日が「昼過ぎに起きてラーメンを食ってボーっとしている間に暗くなり、夕方からテレビを観ながらビールを飲んでいたら寝てた」という日曜日より「充実した日曜日である」と感じる人は皆何かに洗脳されている、とちきりんは言ってのける。
学生時代から予定を入れるのが嫌いだった僕も社会人になり、休日何かやらなきゃなーと思いながら猫を触っている内に就寝。というケースで自己嫌悪になることが少なくないのですが、大して自己嫌悪する必要もない気がしてきます。ちきりんの意見は甘い言葉ですが、退屈な時間が楽しめること、それこそが「余暇の達人」というのはまさしくそうで、予定が無いと不安になる、という状態はそれはそれで不健全だと思うのでした。

 

人生は早めに諦めよう

こういうことを言ってくれる人がなかなかいないもんだから、ちきりんの文章は価値があると思う。貧富の差が激しくて身分制度があるインドみたいな国なら子供の時点で一定の職業や生活を諦めるけど、日本だとそうはいかなくて、諦めるのが遅いパターンがある。
中学生くらいで自分の限界を知らせることを不幸と捉える人もいるが、40歳まで分からないよりか中学生で分かったほうがよい、とちきりんは断言しますが、確かに自分に向いてないことに対して延々頑張り続ける、という事態は避けられますね。その方が、より現実的で最良の選択肢を選べるというものです。

 

大半の保険は不要

日頃、会社に来る生保レディー達の誘惑にも屈せず、「名前だけでも教えてください!」という懇願を目を伏せてかわし、「とりあえず会ってくれ!」と保険の営業をしてくる過去の友人達の依頼を涙を飲んでスルーしている僕です。死んだら死んだでその時でしょwwがモットーの僕ですが、結婚もしたしそろそろ保険も考えるか、と思っていた。そこへ来てちきりんのコレである。
ちきりん曰く、民間の生命保険や疾病保険に入る必要があるのは、扶養家族がいる自営業の人や会社の団体保険がない中小企業の人に限られるとのこと。普通のサラリーマンはまず健康保険や国民年金に加入して、最低限の貯金をしていれば問題なし。不安にかられて民間保険に入って毎日のお金に汲々とするのは本末転倒、万が一のために万が九九九九の期間を犠牲にするのはやめましょう!(ウマイ!)と啖呵を切っています。

保険業界から非難轟々になりそうなオピニオンですが、大手保険会社の保険は高給取りの社員の人件費が相当額上乗せされているため「ブランド物の保険を買うのと一緒、もし入るならネット保険で十分」と一喝されると、なんか色々揺らいできました。

そういえば先輩に、手相占いで60歳で死ぬと宣言された人がいるんですが、その人「僕60歳で死ぬから生命保険めっちゃ入ったった。これで僕が死んでも嫁に二千万円くらい入るぜ」と言っていて、嫁に「バカ、二千万程度で安心されても困るんだよ」と一蹴されて「もっと保険入らなきゃ!」とこっちが心配になるような思考回路をしてるんですが、その人にこの本を読ませてやりたいと思いました。

 

おいしくないものを100年食べ続けるのは苦行そのもの

それよりはおいしいものを50年食べる方がよい、とバッサリ言いのけるちきりんのオススメはデパ地下めぐり。デパ地下の食品街では少し値は張るがレストランで食べるのの半額以下でおいしいものが食べられるので最高にお得な美味探求法!とのこと。
これは盲点、あんまりデパートなんか行かないもので、いつもスーパーの食材でうまいものを作ることしか考えてなかった。デパ地下、ありだな。いいこと聞いた。
ちなみに10代20代のとにかく腹が減る時代のカロリー優先の食生活は30歳でやめましょう、30歳くらいで本当においしいものを食べるようにシフトしよう!ということです。
確かに30代になるともう完全に大人だし、うまいものに金をかけるようにしたいですね。食事がおいしいと感じられるのは最高の幸せ。平和、健康、精神的安定、一緒に食べる人、時間的余裕、最低限の経済力、食材と調理法・・全ての条件が揃わないと叶わないこと。当たり前のことだけど、言われてみると確かにそうだ。

 

全ての人の人生は恥ずかしくて目も当てられない有様

それが生身の人間が生きるということだから、たまには酔っ払ったり恋愛しましょうよ、とのこと。突如として出てきた酒肯定発言に嬉しくなりました。うんうん、真面目に問題ばっかり考えても仕方ないし、ラクに生きるために酒飲もう飲もう。そう言えば学生時代に住んでた寮の入学者向けパンフレットに「寮のイベントを全力で楽しむためには酒が不可欠です」と書いてあった。
ほんの10年前だけど、今書いたら怒られるんだろうなー。

 

おわりに

本の中で自己評価もしてるけど、ちきりんは元来真面目で内省的で心配性なんだと思った。だからこそ楽観的で能天気な友人と付き合うことで自身の性格改造を行って、それこそが自身の成長の目的だったと言います。こういう背景があるから、ゆるく考えよう、というメッセージに説得力があるんですね。
あと、ちきりんの根底には「所詮この世のことなんだし」的な諦観があって、当初ちきりんのことを社会派の問題提起型ブロガーだと思っていた僕にとっては思いがけない共感でした。
この本はタイトル程にゆるくはない内容だったけど、コンテンツとしてのちきりん、嬉しい出会いでした。

そんじゃーね。