キジ猫世間噺大系

一人暮らしで猫を飼った男の末路

【実録】親父がマムシ酒を作っていた

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今日は急に寒くなって関東では半世紀ぶりにこの時期に雪が降るかもしれないとか。で、僕はと言えば今日が祝日であることを忘れており、何の予定もなくのんべんだらりと布団でヒラメになっていた。

突然だが僕は爬虫類好きである。動物園なんかに行ったら爬虫類展示コーナーをじっと見ている。個人的にはピパピパがいる動物園に僕は一定の評価を置いている。そんな変温動物達も寒くなってきて冬眠に入る頃だろう。日本のヘビの代表格であるマムシも例外ではない。

 

親父がマムシ酒を作っていた

で、九州の田舎でちょっと山に入ればマムシに遭遇することがある。もう20年程前になると思うが、僕の親父も春先に山にタケノコ取りに入ってマムシに遭遇した。親父はそれを捕まえて酒にしようと試みたのである。

ちなみに僕の実家にはあらゆるゲテモノ酒があり、朝鮮人参からはじまりタツノオトシゴを漬けた酒まであり、知らない人が見たら「昔の中国人ですか?」と思うかもしれない。タツノオトシゴ酒は紹興酒が薄くなったような味がした。

 

マムシ酒の作り方はかなり簡単

ここでマムシ酒の作り方を紹介するが、まずはマムシを捕まえるところからである。捕まえる方法は割と簡単で、頭付近を靴で踏んづけて、首根っこを捕まえて一升瓶に頭から入れればそれでOKである。自分でスルスル入っていく。ちなみに咬まれると毒があり、そんなに強くはないというが即病院に行くのが懸命である。

 

工程①

マムシを捕ったらマムシ入りの一升瓶に水を7分目くらいまで注ぎ、呼吸をするために穴を空けたフタで栓をする。そうすると、水から頭を出しまさに鎌首もたげる状態となる。はじめに水を入れる理由は、酒にする前に老廃物を全て出させるためである。

 

工程②

だいたい一ヶ月くらい、マムシを放置するのだが、老廃物が出て水が汚れてくるため週一くらいで水を入れ替える。ちなみにその時もマムシはずっと生きている。

 

工程③

一ヶ月後、いよいよ焼酎の投入である。水を抜いたら度数の高い焼酎を10分目まで入れるが、この時にやっとマムシが絶命する。百薬の長である酒もマムシにとっては猛毒である。

 

工程④

そのまま栓をして1年以上放置。1年の間にマムシエキスが焼酎に染み出すが、色が透明なままなのが不思議である。これで晴れて自家製マムシ酒の完成である。

 

親父が犯した過ち

上記工程に沿って作業を進めていた親父だが、親父は途中の工程であろうことか絶対にやってはいけない過ちを犯した。工程②の段階で一升瓶を倉庫に放置したまま忘れてしまったのである。そして、親父がマムシの存在に気づいたのがその年の年末であるから大変である。実に10ヶ月の間マムシを水の中に放置していたのである。

倉庫で一升瓶を手に取ると、マムシは水を入れた時そのままの状態でおり、ゆらゆら揺すっても水の揺れに合わせて揺れるだけで、さすがに死んでいるように見えた。そして次の瞬間、一升瓶を揺すった手を滑らせ落下させた!当然一升瓶が割れ中からマムシが飛び出したが、バタバタバタバタバタ!!と暴れだしたのである!なんとマムシは生きていた。10ヶ月の間飲まず食わずである。

 

その後の顛末

さすがにかわいそうになり、いや怖くなったというのが正解だろう。再度マムシを捕まえた親父はすぐに元いた山に行き、マムシを帰した。ヘビの生命力は恐るべしだが、何とも言えない気持ちになる話である。こういった生命力の強さが、ヘビは執念深かったり祟るという迷信を生んだのかもしれない。余談だが、巳年の女性は水商売に向いているらしい。因果関係は不明である。

 

まとめ

マムシは、赤まむしドリンクなんかも市販されており精力がつくとされているが、なぜ親父がマムシ酒を作ろうとしたかは未だもって不明である。