絶対に紹介したいミュージシャンが僕にはあります。今から10年ほど前にサブカル界隈で大いに沸かせていたノリアキです。もう表に出ないのでご存じない方も多いと思いますが、先日あるあるPVで話題の岡崎体育さんがTV番組でノリアキの紹介をしており、久々に聴いてみたところやっぱノリアキいいなと思いまして。今回はノリアキの作った珠玉の楽曲をいくつか紹介させて頂きます。
ノリアキとは
ノリアキの才能を見出したのは『夢を叶えるゾウ』等の代表作がある作家、水野敬也さんです。当時僕は水野さんのブログをよく読んでいたのですが、ノリアキのプロデュースに至るまでの過程が克明に書かれておりました。水野さんとノリアキの出会いは、水野さん企画の後輩オーディションです。後輩オーディションとは、水野さんらの後輩(パシリ)を募集するもので、限りなくいじめに近いイジりがあります、と銘打たれたオーディションの様子が当時ブログにうpされていましたが、内容は「ちょっとそこの壁にぶつかってみて」といった完全にいじめの様相を呈していました。
引きこもりラッパー爆誕
その類まれなルックスと引きこもりというバックグランドで水野さんらの目に留まったノリアキは、生来とは真逆のラッパーというスタイルで鮮烈なデビューを果たすことになります。そう、山形Cherry Styleという斬新なかたちで。
僕が思うノリアキの一番の魅力は、自分のコンプレックスをむき出しにしながらがむしゃらにがんばる姿。ガリガリで童貞で引きこもりの彼は意を決して水野さんの門を叩き、筑波大学を休学して音楽活動を始めます。僕も当初ただのネタミュージシャンと思ってましたが、ノリアキの楽曲はかなり心に来ます。そしてもちろん全作ノリアキが作詞作曲。いつしか彼は「ノリアキこそリアル」と言われる程に成長していきました。
Unstoppable
記念すべきデビュー作です。最初この動画を寮で見たときはみんなで爆笑したものです。ゲーム音楽ほどチープな伴奏でひたすらディスっていくスタイルがまじでおもしろい。エミネムやジブラさえも全部フェイクだと一刀両断します。PVは当時の音楽シーンをディスるためにあえてチープに作ったとか。タバコ2本吸いとか真似してたなー。余談ですが大学生の時、学祭の出店で流すためにUnstoppableをパクって後輩のPVを撮りました。「Yo!○○寮へようこそ!今日の寮食超うまそう!」といった歌詞だったな確か。ひまだったな。
スカイフィッシュ
このスカイフィッシュもネタ路線で作られたものだと思いますが、キレのあるダンスに魅了されます。そしてやっぱりきもちわるいんですが、そこが逆になんとなくかっこよく見えてくるから不思議。ちなみにノリアキの髪がかなり長いんですが、これは「切るな」という上からの指示によるものですが、ノリアキは髪の毛のウザさに負けて切ってしまいます。そしてめちゃくちゃ怒られたというエピソードがあります。夏になると思い出すナンバー。
デビュー
次はバラードですね。このPVの中でノリアキが家に引きこもってゲームをしているのですが、その様子が正真正銘の引きこもりって感じでリアルです。というか実際のノリアキの生活なんでしょうね。それに相反するデビューというタイトル。ノリアキのコンプレックスをばねにした熱いパッションを感じます。
きみはポイズン
ノリアキの評価を一躍押し上げたのがこのラップナンバーだと思います。このナンバーはかなり重厚感のある作りになっており、どこで撮影したのかリアルな黒人との絡みが本格です。なんだネタキャラじゃないじゃん!と思わずにはいられない。俺はサーベルタイガー!
だれかおれをすきになれ
そして僕が一番好きなのがこの「だれかおれをすきになれ」。この曲は初めて聴いた時からノリアキ天才かよ・・という想いが溢れました。なんか男の哀しさというか、孤独感というかを見事に歌い上げているんですよね。それはさながら森進一の「冬のリヴィエラ」に通じるような。僕の周りでもこの曲が一番好きだと言ってる人も多いです。僕は今でもよく朝の通勤中Youtubeで聴いています。Why don't you love me?
まとめ
いかがでしたでしょうか。全曲聴いていただくとノリアキの世界にどっぷりハマると思います。ちなみに残念ながらノリアキは2009年に公式ブログで活動休止を発表し、「限りなく引退に近い決心」という言葉を残します。非常に残念です。僕は5年ほど前京都で行われた水野さんのサイン会に行ったのですが、そこで水野さんに「ノリアキさんはどうされてますか?」と聞いてみたところ、「それがわからないんですよ、音信不通で」と言われてしまいました。元気でいて、また戻ってきてほしいですね。