吉野家コピペで有名な新爆さんがテキストサイトでこんなこと言ってました。
つまんねーOLのミクシーの日記じゃあるめーし、おいしいご飯屋さんを発見しちゃいましたとかそんな事をいちいち書きたくはないけど、どうか今日だけは許してください。
新宿伊勢丹裏にある「串の坊」という串カツ屋が美味すぎました。
串カツなんて何処も同じだろうと思ってた自分が恥ずかしかった。
美味すぎて泣きそうになった。信じられない。
夢かと思った。夢であってくれと思った。
人間の仕業とは思えない味だった。
アポロが月に降り立って幾数年、人類はついにこの味に辿り着いたんだと思った。
串カツ1本1本を拝むように、時には話し掛けるように頂いた。
大切な人とまた来たいと思った。
例えばいつか自分に子供ができたなら、最初に串の坊を食べさせてあげたいと思った。
母乳よりも先に串の坊を口に入れてあげたいと思った。
最初の1か月は串の坊だけで育てたいと思った。
久しぶりに気分が高揚した。連れてきて下さったS氏に握手を求めた。
店を出てJR新宿駅まで「もろびとこぞりて」を歌いながら歩いた。※Not Found第3章より引用
いくら串カツがうまいと言ったって作り方なんてみんな同じなんだからさ、どの店で食っても一緒でしょ。新世界の八重勝とかだるまとかもブランディングの勝利でしょ。しかも串の坊チェーン店じゃねぇか、とか思ったけど、そこまで言うのなら試してみるかつって、コレいるじゃないですか。久しぶりの外食ということでコレ連れて新宿くんだりまで予約して行った結果滂沱の涙を流す末路となった。
串の坊 新宿伊勢丹会館店
バブル臭いビルの一角で、やおらコケシ屋のような門構えに面食らったがここが例の店。お任せコース5000円とか書いてあるが食った分だけ払うという方式で、ストップするまで延々と串が供給されるという。5000円は15本食った場合の見立てとか。
禁煙の3階の店舗はカウンターだけ。8階はテーブル席もあるようだ。
各客の目の前に置かれるハゼ。食べ終わった串はハゼに食べさせてくださいとのこと。器は全てこだわりが効いている。
つきだしの野菜スティック。キュウリを齧るとメイちゃん気分を味わえる。
隣りになんか小ねぎが。これなんすか?と聞くと箸休めにお召し上がりくださいだって。ガリ的な役割てことね。
好きなように召し上がりくださいということでタレを見様見真似で準備。口うるせぇ「二度漬け禁止」とか関係ないから楽だ。
おまかせコーススタート
店員さんにおまかせコースと生ビールを注文すると寿司屋の板前さんバリの手際で串揚げを揚げ始め、瞬く間に串が提供された。季節ごとにネタが変わるらしくテンション上がって写真撮りまくっちゃいました。
芝海老の紫蘇巻
初っ端創作来たわとか思って食ってみたらコレが感動するくらい美味かった。嫁さんと顔を見合わせて無言で頷いた。紫蘇の風味と芝海老の甘みが相乗効果を生んでる。
牛ヒレ
薄い衣がピタッとついとる肉の最高部位の旨味が口中に広がる。
生椎茸
生椎茸に海老すり身とタルタルソース。ただの椎茸と思ったら大間違いだ。
蟹の鱚巻き
もうお分りと思うが、ここは創作料理のクオリティが半端ない。これは揚げてないんだが目玉串。ズワイのほぐし身がまた甘い。ポン酢で。
手羽先
なんかアメリカンドッグみてぇな外見だったから俺の聞き間違いかなと思った。でも紛うことなき手羽先だった。これも蟹がいい仕事してて形容し難い美味さ。
とうもろこし
あっま!と思った。いや、あまーーーい!!!と思ったのを通り越してハンバーーーグ!!!と思った。
稚鮎
まるまる鮎一匹の贅沢な一品。頭の苦味も酒飲みには丁度いい。
ダバダ火振
めったにお目にかかれない栗焼酎ダバダがあった。学生の時にアルバイト先のバーでいっつも飲んでた思い出の味。もちろんロックで注文したら、並々注いでくれた。サービスいいな。
えのき
歯に詰まるから一気にいく。ホロホロと解けるえのきの繊維が心地よい。海苔のアクセントもよき。
車海老
絶対に外せないメインコンテンツ。足がちゃんと一本一本バラけて揚がっており、一説によるとこの足の揚げ方にプロの仕事が出るという。塩だけで頂くことで分かる豊かな甘み。
アスパラガス
女性一番人気らしい。薄い豚肉?が巻いてあって食べ応えのある一品。
カチョカバロはちみつがけ
串揚げ屋でこのチーズが食えるとは思わなかった。はちみつがけ。甘くても酒に合うから不思議。
鱚
鱚がまるまる一匹。この時点で少食の僕は腹八分なので「もう終わりで」と告げると「あと一本やり始めちゃいました」とのこと。
山芋
ラストは山芋。13本しか食えなかったけど、おまかせコースは次に何が来るかとワクワクできた。楽しい。
土佐ジロー卵の卵かけご飯セット
土佐ジローて誰か知らないけど赤だしも付け合せも高クオリティだ。TKGはやはりハズれない。
ハゼの調子はそれなり。ハゼ的にはまだまだいけるんだろうけどこちとら少食なもので。
黒糖ゼリーと甘甘棒
コーヒーゼリーかと思ったけどこれは黒糖ゼリー。甘甘棒はその名前通りです。
おわりに
相当に満足したので会計したところ2人で13000円だった。普段使いするにはちょっと背伸びだと思った。学生時代にバイト先で芸妓のねえさんから「貧乏でもたまに背伸びしていい店に行くのが大事なんやで」と言われたことが思い出される。とても素敵な言葉だと改めて思った。
店内にあった張り子の虎。張り子の虎でも構わない、僕はこれからも時たま背伸びをしようと思った。初夏の夜道をJR新宿駅まで「今宵の月のように」を歌いながら帰った。